令和4年 秋の叙勲(旭日単光章)を授与
2022年11月3日 コロナで揃って皇居へ行けないので、近畿経済産業局長より市役所市長室にて夫婦で授与された。

創業者の祖父稲葉由太郎はアメリカから大正期に製造機を輸入して白樺材を使って平楊枝の機械生産を日本で始めた。日本初。
薄い平楊枝は日本では受け入れられないのを見た二代目の滋’(父)は日本がだめなら世界があるとサンプルを持って大阪、神戸の輸出商社を尋ねて周り、次第に海外市場を開拓した。その中の一社にスウェーデン生協があり大量に平楊枝を販売してくれていたが、ノルウェイで開発された三角形の楊枝の見本を送ってこられ、その製造を依頼された。当時高山でも平楊枝を作ってもらっていた丸正産業の瓜田宏氏に相談して、研究を進め3年かけて完成した。出来た見本を送ると了承され、輸出を開始。三代目の私は三角ようじをヨーロッパの歯ブラシメーカーへ売り込んだ。このように新しい商品を開発することに積極的な喜びを見い出した。その後、円高に遭遇して日本市場でも三角ようじを広めようと出展していた展示会へ来られた松原市の高田義明氏の親切丁寧な指導を受けて薬局の販路を開拓。その過程で歯ブラシメーカーから「糸ようじ」の開発を依頼され創った。三角ようじを広く知ってもらおうと出品していた展示会に中之島の中村喜一歯科医が来られ、歯間ブラシ」の開発を頼まれ、友人の灰原良弘君の提案で塩ビのパイプを活用して日本初の歯間ブラシを商品化出来た。その折、中村先生が所属しておられた日本歯科人間工学会での学会発表を勧められた。当時大阪の大林ビルで開業されていた坂下歯科の先生に相談すると積極的で「歯間ブラシ」を治療に採用するとこんなによくなると診療写真を沢山準備して下さったので、よい学会発表になり、歯間ブラシの効能を証明出来た。
更に舌の清掃の大切さに気付き、九州大学歯学部部長であられた青野正男先生が大阪におられたので舌掃除が
疎かになっていますが「必要なのではないですか?」とお尋ねすると先生は「必用なんですが、舌は粘膜なので傷をつけ易いので傷をつけないもの」を作って下さいと念をおされた。
当時シチズンの電動ブラシを担当されていた友人の西浜氏の紹介で宿輪デザイナーと大成プラスを紹介され、新宿の宿輪デザインの事務所で入社した稲葉行信も加わり議論を重ねて、舌そうじを開発できた。
なんしとか国内市場を開発しようと東京の展示会に出ていると特許事務所の宥免社長が歯の着色汚れを取るメラミンフォームの商品開発企業を探していると私共の口腔ケア商品をごらんになってお声がけ下さった。大学の先生の特許とのことだったが、天然素材の木材しか扱った経験ないので化学品には腰が引けた。すると積極的な宥免社長は大学の先生を案内して私共の会社まで来て下さったが、安全性への不安はぬぐえなかった。仕方なく特許や化学に強い友人の竹内俊文さんに相談すると安全なものに変質する方法を教えて下さり、更にそれを実証する方法まで案内下さり、その上に特許まで取らせていただき、一つの商品が日の目を見るまでには多くの温かいご親切があって初めて日の目を見るんだということを実感させられました。
四代目の現社長稲葉行信は「歯は奥歯から失う」ということから奥歯専用の歯ブラシ「バックフィット」を開発、その次にフロスを使い易くするために片方の糸をホルダー内部で固定することを発案し、特許を取った。また歯ぐきの重要さに気づき、使い易い歯ぐき用マッサージブラシを開発。このように他社にない新しい商品開発の会社の四代に亘る姿勢がを認められ、経済産業省の推薦で平成4年(2022)11月3日「旭日単光章」徐勲の栄に至った。
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